オメガ3脂肪酸
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目次 (15)
植物由来のオメガ3について。ヴィーガンは亜麻仁、チアシード、クルミ、ヘンプシード、菜種油からALAをとり、藻類油からEPAとDHAを直接とることができます。NIHとEFSAによる摂取量の目安、ALAの変換、食品ごとの含有量、サプリメントのコツを紹介します。
概要
- 主な種類
- ALA、EPA、DHA
- ALAの目安量(米国)
- 1.6 g(男性)、1.1 g(女性)
- ヴィーガンのALA供給源
- 亜麻仁、チアシード、ヘンプシード、クルミ、菜種油
- ヴィーガンのEPA/DHA供給源
- 藻類油
- EFSAのEPA+DHA(成人)
- 250 mg/日
- 最終確認日
- 2026年10月31日
ひと言で言うと: ヴィーガンも植物からオメガ3脂肪酸をとることができます。必須脂肪酸であるオメガ3のALAは、粉末にした亜麻仁、チアシード、クルミ、ヘンプシード、菜種油(キャノーラ油)に豊富に含まれています。長鎖オメガ3のEPAとDHAが魚に含まれているのは、魚が微細藻類を食べているからにすぎません。そのため、ヴィーガンの藻類油(アルガルオイル)サプリメントからこれらを直接とることができます。体内でALAからEPAやDHAに変換されるのはごく一部(15%未満と報告されています)なので、特に妊娠中などには藻類由来のサプリメントを選ぶ人もいます。
主なポイント
- ALAの目安量(米国): 成人男性は1日1.6 g、成人女性は1.1 g、妊娠中は1.4 g、授乳中は1.3 gです(NIH ODS)。
- 変換: ALAからEPAやDHAへの変換は「非常に限られており、報告されている変換率は15%未満」です(NIH ODS)。
- EFSA: 成人の目安量は、ALAがエネルギーの0.5%、EPAとDHAの合計が1日250 mgで、妊娠中・授乳中はさらにDHAを100~200 mg追加するとしています(EFSA, 2010)。
- 最も豊富な植物性の供給源(1回分あたり): 亜麻仁油は大さじ1杯でALA 7.26 g、チアシードは1オンス(28 g)で5.06 g、クルミは1オンスで2.57 gです(NIH ODS)。
- 藻類油: ヴィーガン向けサプリメントは通常、DHAを約100~300 mg含み、EPAを含むものもあります。小規模な研究では、藻類油のDHAは加熱調理したサーモンのDHAと同程度に吸収されることがわかっています(NIH ODS)。
- The Vegan Societyは、ALAの豊富な食品を1日1~2種類とることをすすめ、藻類由来のEPA/DHAサプリメントは「オメガ3の状態を最適化するのに役立つ可能性がある」としています(Vegan Society)。
オメガ3脂肪酸は多価不飽和脂肪酸の一群で、細胞膜、脳、目、心血管系で役割を果たしています。主な3種類のうち、1種類は植物性食品に広く含まれ、残りの2種類は主に脂ののった魚と、魚が最終的にそれらを得ている微細藻類に含まれています。このため、オメガ3の摂取はヴィーガンの食生活との関連でよく話題になります。
オメガ3の種類
- α-リノレン酸(ALA)は短鎖のオメガ3です。体内で作ることができず、食品からとる必要がある必須脂肪酸です。ALAはさまざまな植物性食品に含まれています。
- エイコサペンタエン酸(EPA)は長鎖のオメガ3で、炎症や血液凝固に影響するシグナル分子の生成に関わっています。
- ドコサヘキサエン酸(DHA)は長鎖のオメガ3で、脳や網膜の主要な構成成分です。
体内ではALAをEPAに、そしてそれより少ない割合でDHAに変換できます。しかし、この変換は限られています。研究によると、変換されるALAはごくわずかで、特にDHAへの変換率は低いと報告されています。妊娠可能な年齢の女性は、男性よりもいくらか効率よく変換できるようです。また、2つの脂肪酸群は同じ酵素を使うため、遺伝的要因や食事中のオメガ6脂肪酸の量も変換に影響する可能性があります。
推奨摂取量
NIH栄養補助食品局(Office of Dietary Supplements)によると、米国医学研究所(Institute of Medicine)はALAの目安量(AI)を成人男性で1日1.6 g、成人女性で1日1.1 gと定めています。EPAとDHAについては、米国では摂取基準が設けられていません。
EFSAは成人の目安量をEPAとDHAの合計で1日250 mgとし、妊娠中・授乳中はさらにDHAを1日100~200 mg追加することをすすめています。
植物性のALA供給源
| 食品 | 1回分 | ALA(g) |
|---|---|---|
| 亜麻仁油(フラックスシードオイル) | 大さじ1 | 7.26 |
| チアシード | 1オンス(28 g) | 5.06 |
| クルミ(ペルシャグルミ) | 1オンス(28 g) | 2.57 |
| 菜種油(キャノーラ油) | 大さじ1 | 1.28 |
| 大豆油 | 大さじ1 | 0.92 |
出典:NIH Office of Dietary Supplements、表2。
ALAの豊富な植物性食品には次のようなものがあります。
- 粉末にした亜麻仁(フラックスシード)と亜麻仁油
- チアシード
- ヘンプシードとヘンプオイル
- クルミ
- 菜種油(キャノーラ油)
- 大豆と豆腐(含有量は少なめ)
ベリーとチアのオーバーナイトオーツのレシピは、朝食にチアシードを取り入れる簡単な方法のひとつです。
亜麻仁は粒のままだと消化されずに腸を通過してしまうことがあるため、ふつうは粉末にして食べます。亜麻仁油は高温の調理には向いていません。粉末亜麻仁を大さじ1杯、またはクルミを少量のひとつかみ、毎日とることが、ALAの必要量を満たす方法としてよくすすめられています。
藻類油
魚はEPAやDHAを自分で作っているわけではなく、微細藻類を直接、または食物連鎖を通じて食べることで蓄積しています。藻類油サプリメントは、こうした微細藻類を培養して油を抽出したもので、DHA(多くの場合EPAも)を直接とれるヴィーガンの供給源です。藻類油は一部の強化食品や乳児用ミルクにも使われています。
藻類油サプリメントは魚を使わず、一部の魚油にあるような海洋汚染物質への懸念もありません。藻類油のDHAは、魚油と同程度に血中DHA濃度を高めることを示した研究もあります。サプリメントによってはゼラチンを使っているものがあるので、カプセルがヴィーガン対応かどうかを確認しましょう(隠れた動物性原材料を参照)。
ヴィーガンはサプリメントをとるべき?
ヴィーガンにEPA/DHAサプリメントの日常的な摂取が必要かどうかについては、健康関連団体の間でも見解が分かれています。ヴィーガンやベジタリアンは一般に、魚を食べる人に比べて血中のEPAやDHAの濃度が低い傾向にありますが、その臨床的な意味は完全には確立されていません。よくある推奨は次のとおりです。
- 毎日、確実なALAの供給源をとる。
- ひまわり油やコーン油を大量に使うより、菜種油などオメガ6の少ない油を選ぶ。
- 特にDHAが重要になりうる妊娠中、授乳中、乳児期、高齢期には、藻類油サプリメントを検討する。
The Vegan Societyは、ヴィーガンはALAの豊富な食品を食べることに加えて、藻類由来のDHAとEPAのサプリメントを検討してもよいとしています。
安全性
オメガ3サプリメントは一般に体への負担が少ないとされています。高用量では血液凝固に影響することがあるため、抗凝固薬を服用している人や手術を控えている人は医師に相談してください。EFSAは、成人がサプリメントでEPAとDHAを合計1日約5 gまで摂取しても安全上の懸念はないとしています(EFSA, 2012)。
食品中のオメガ3はヴィーガン?
パン、スプレッド、ジュース、ヨーグルト、乳児用ミルクなどの食品に添加されるオメガ3は、魚油、藻類油、または(ALAの場合は)亜麻仁や菜種に由来することがあります。ラベルには必ずしも由来が書かれていないので、「藻類油(algal oil)」の表示やヴィーガンロゴを探すか、オメガ3はヴィーガン?のページを確認してください。サプリメントのカプセルの多くはゼラチン製ですが、ヴィーガン製品には加工でんぷんやカラギーナンなど植物由来のカプセルが使われています。
よくある質問
オメガ3の最もよい植物性供給源は何ですか?
ALAの最も豊富な供給源は、粉末亜麻仁と亜麻仁油、チアシード、クルミ、ヘンプシード、菜種油(キャノーラ油)です。EPAとDHAについては、藻類油が唯一の直接的なヴィーガンの供給源です。
魚を食べなくても、ヴィーガンは十分なオメガ3をとれますか?
ALAの推奨量は、植物性食品から簡単に満たすことができます。ヴィーガンは血中のEPAやDHAの濃度が低くなりがちですが、その健康上の意味は完全には確立されていません。EPAとDHAを直接とりたい人には、藻類油サプリメントがあります。
ALAはどのくらいEPAやDHAに変換されますか?
変換は限られています。NIH栄養補助食品局によると、報告されている変換率は15%未満で、特にDHAへの変換率は低いとされています。
ヴィーガンは藻類油サプリメントをとるべきですか?
The Vegan Societyによれば、ほとんどの成人にとっては任意ですが、妊娠中や授乳中には特に価値があるかもしれません。EFSAの成人の基準摂取量は、EPAとDHAの合計で1日250 mgです。血液をサラサラにする薬を服用している場合は、医師や管理栄養士に相談してください。
出典
- NIH Office of Dietary Supplements – Omega-3 fatty acids: fact sheet for health professionals
- EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies – Scientific opinion on dietary reference values for fats(2010年)
- EFSA – Scientific opinion on the tolerable upper intake level of EPA, DHA and DPA(2012年)
- The Vegan Society – Omega-3 and omega-6 fats
- NHS – The vegan diet
この記事は一般的な情報です。個別のアドバイスについては、医師または管理栄養士に相談してください。
最終確認日:2026年10月31日。
関連項目
出典
- NIH ODS ods.od.nih.gov
- EFSA, 2010 efsa.europa.eu
- Vegan Society vegansociety.com
- EFSA, 2012 doi.org
- The vegan diet nhs.uk
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